完全ドキュメント・安倍首相が慰安婦に謝罪するまで
asahi.com:慰安婦強制示す調書、東京裁判に各国検察提出 - 社会
http://www.asahi.com/national/update/0414/TKY200704140400.html
(騙された…!)
安倍晋三首相は米議会調査局の報告書の要点訳と、「慰安婦強制示す調書、東京裁判に各国検察提出」とする朝日新聞を前に、溢れ出る怒りを隠せずにいた。
自分は間違っていないという確信があった。強制性を裏付ける資料は全く存在しなかったと、櫻井よしこを初めとした保守系知識人から散々聞かされていたからだ。
だが、それは誤りだった。軍による強制連行はあったのだ。自分はそれを知らされていなかった。
勿論彼らの言い分を鵜呑みにしていた自分にも非があろう。
しかし、私は彼らが普段から主張している事をそのまま言っただけではないか!
それなのに、アメリカや韓国のみならず、オランダ、カナダ、オーストラリア、台湾からも公式に抗議を受けてしまった。
彼らは自分達の主張が受け入れられる土壌作りの努力を全く欠いたまま、私に「軍による強制連行は無かった」と言わせたかったようだ。とんだ応援団だ。足を引っ張っているだけではないか。
「軍の強制連行を裏付ける資料は見つからなかった」という閣議決定をした後に、「軍の強制連行を裏付ける資料があった」という報道をされてしまうとは…。
これでは道化ではないか!私はいい笑いものだ!
今更強制連行の証拠を出してきた朝日新聞に対する怒りよりも、むしろ今まで育ててくれた保守系知識人への怒りの方が遥かに強烈であった。騙され、利用されたという思いが自分の中で留まること無く膨れ上がっていくのを感じた。
下村と中山は相変わらず「軍の強制連行による従軍慰安婦は存在しなかった」などとバカな事を喚いている。
頼むから静かにしててくれ。
お前らが要らぬ事を口走るたびに、野党や国内外のマスコミから非難を受けるだけだと言う事を理解してくれ。
この後には米誌のインタビューが控えている。ニューズウィークとウォールストリート・ジャーナルだ。
…。
米議会調査局の報告書には「狭義の強制性にこだわることは問題をあいまいにしてしまう」とあったな…。つまり「「狭義の強制性の有無」は、もはや問題ではないという事か…。最終防衛ラインがそこだと思い込んでいた、私の完全な判断ミスだ。ワシントン・ポストに至っては拉致問題と従軍慰安婦問題における態度の違いを比較し、私のダブスタを非難している…。
いいだろう。認めてやろうじゃないか、責任を。
北朝鮮にこの問題を利用されてたまるものか。私の迂闊な発言で拉致問題に悪影響を与える様なことをしてしまったが、まだ取り返せるし、取り戻してみせる。
今まで育ててきてくれた保守系知識人や、支持母体からは相当な非難を受けるだろう。見限られてしまうかもしれない。
だが、私はなんとしても次の参院選に勝ち、拉致問題を解決してみせる。その為には手段は選ばない。例え、育ての親を裏切ることになったとしてもだ。
野党にはこれが出来るものか。
彼らは支持母体を裏切ることなど決して出来ない。
だが、政権与党である自民党は出来る。
私には出来る。
…。
(小泉前首相と同じ事は出来ないし、するつもりもなかった自分だったが、結局は彼と同じ道を歩いてしまっているのかもしれないな…。)
そう苦笑して一人ごちながら、安倍はインタビューへと向かうのだった。
注:これはフィクションです(^^;)