クローズアップ現代に「希望は、戦争」の記事を載せた赤木智弘氏、出演

まずはこちらの動画から見てもらった方がいいかな。
クローズアップ現代 9条との対話 〜若者たち〜


で、彼が書いたという記事がこれ。
転載元:たろと蜂の巣:『丸山眞男』をひっぱたきたい 31歳フリーター。希望は、戦争。

論座4月号・朝日新聞社 p.83

「『丸山眞男』をひっぱたきたい 31歳フリーター。希望は、戦争。」

● 私は親元に寄生して、自分一人の身ですら養えない状況を、かれこれ十数年も余儀なくされている。31歳の私にとって、自分がフリーターであるという現状は、耐えがたい屈辱である。月給は10万円強。北関東の実家で暮しているので生活はなんとかなる。だが、本当は実家などで暮したくない。できるなら東京の安いアパートでも借りて一人暮しをしたい。しかし、今の経済状況ではかなわない。
● 平和な社会を目指すという、一見きわめて穏当で良識的なスローガンは、その実、社会の歪みをポストバブル世代に押しつけ、経済成長世代にのみ都合のいい社会の達成を目指しているように思えてならない。このようなどうしようもない不平等感が鬱積した結果、ポストバブル世代の弱者、若者たちが向かう先のひとつが、「右傾化」であると見ている。(右傾化する若者が)不満や被害者意識を持っているというなら、なぜ左傾勢力は彼らに手を差し伸べないのか。
● 私のような経済弱者は、窮状から脱脂、社会的な地位を得て、家族を養い、一人前の人間として尊厳を得られる可能性のある社会をもとめているのだ。それはとても現実的な、そして人間として当然の欲求だろう。そのために、戦争という手段を用いなければならないのは、非常に残念なことではあるが、そうした手段を望まなければならないほどに、社会の格差は大きく、かつ揺るぎないものになっているのだ。反戦平和というスローガンこそが、我々を一生貧困の中に押しとどめる「持つ者」の傲慢は、現状をひっくり返して、「丸山眞男」の横っ面をひっぱたける立場にたてるかもしれないという、まさに希望の光なのだ。しかし、それでもやはり、我々を見下す連中であっても、彼らが戦争に苦しむさまを見たくはない。だからこうして訴えている。私を戦争に向かわせないでほしいと。(赤木智弘、抜粋)


この記事を取り上げた東京新聞の筆洗。

 近ごろこんなに刺激的で、考えさせられた論争はない。『論座』四月号
朝日新聞社)の“「『丸山眞男』をひっぱたきたい 希望は、戦争。」への
応答”だ

 ▼最初に同誌一月号に「丸山眞男をひっぱたきたい」という挑発的な
タイトルで論文を寄せたのは、三十一歳のフリーター、赤木智弘さん
だった。結婚どころか、親元に寄生、月収十万円で自分一人も養えない
“ポストバブル世代”の窮状を代弁

 ▼その“右傾化”の背景には、「平和な社会の実現」の名の下に、
経済成長の利益を享受してきた先行世代への不満があり、「左傾勢力
が擁護する労働者の利権を奪い取っておれたちに分けてくれと期待」
しているという。それには「極めて単純な話、日本が軍国化し、戦争が
起き、たくさんの人が死ねば、日本は流動化する。若者は、それを
望んでいる」と言い切る

 ▼かつて三十歳で二等兵として召集された東大エリートの丸山眞男氏が、
学歴もない一等兵にイジメられたことを例に、戦争とは現状をひっくり返して、
イジメられてきた私たちが丸山眞男の横っ面をひっぱたけるかもしれない、
逆転のチャンスだ、という論法になる

 ▼これが多くの論者の心の琴線に触れたようだ。同誌四月号では評論家
佐高信さんや映画監督の若松孝二さん、森達也さんらが厳しい批判や
助言を寄せる

 ▼だが鶴見俊輔さんは、インタビューの中で「民衆の底に隠された問題
を提起している」と受け止め、吉本隆明さんはかつての自分と重ねながら、
不平不満にとどめず、自問自答を続けよとアドバイスする。

ソース(東京新聞・筆洗)


この東京新聞に対する25 o'clock氏の反応。
25 o'clock 日本の若者は戦争を望んでいる

所謂「ネットウヨク」の間でそんな主張は聞いたことないな。
そんなピント外れの主張に対して、批判したり賛同したり馬鹿じゃないの?

確かに「平和な社会を目指すという、一見きわめて穏当で良識的なスローガンは、その実、社会の歪みをポストバブル世代に押しつけ、経済成長世代にのみ都合のいい社会の達成を目指しているように思えてならない。」なんて主張はネット右翼はしていない。
しかし、「どうしようもない不平等感が鬱積した結果、ポストバブル世代の弱者、若者たちが向かう先のひとつが、「右傾化」であると見ている。」というのは、ある程度当たっているのではないか。
この説はこちらのブログ主による2ちゃんねるの観察によってある程度裏付けられている。
2ちゃんねるとネット右翼ウォッチング&その分析


そして25 o'clock氏は誤解しているのだが、彼はいわゆるネット右翼ではない。

566 名前:名無しさん@七周年[] 投稿日:2007/03/03(土) 22:37:23 id:qPCI78160
>「丸山眞男をひっぱたきたい」という挑発的なタイトルで
>論文を寄せたのは、三十一歳のフリーター、赤木智弘さん

丸山眞男全共闘批判して原理的共産主義者から攻撃された人だよ。
丸山なんて名前を知ってる赤木氏もかなり理論武装した左翼人だと感じる。


>戦争が起き、たくさんの人が死ねば、日本は流動化する。
>若者は、それを望んでいる

これ、もろに革命思想だから。
「戦争」ってのは毛沢東やったようなゲバルト革命のことでしょ。


実際、リベラル系雑誌『月刊オルタ』などに対談が載る様な人らしい。
当人のブログから転載:深夜のシマネコBlog: 対談してきました

■ 対談してきました


●去る18日に、上記の自由学校を主宰するPARCの企画で、雨宮処凛さんと対談をしてきました。
 いろいろと刺激になることは多かったですし、実りのある対談になったと思います。そのあたりの模様は、『月刊オルタ』に掲載予定ですので、ぜひご覧ください。


他に目を引いたのがこのエントリ。
深夜のシマネコBlog: いまさらながら9条

●9条について、いまさらながらに考えてみる。

 たぶん現状で改憲をしたとしても、日本が「戦争のできる国」になるとは思わないし、同時に、現状が「戦争ができない国」でもないと思う。
 政府が日米同盟を最重要視する限り、自衛隊だろうが日本軍だろうが、米軍の肩代わりをするに過ぎない。

この一文に激しく同意。
ま、改憲したい人って戦争がしたいんじゃなくて、国際社会でええカッコしたいだけだし。
俺としては停戦後の治安維持を自衛隊(自衛軍?)に押し付けられる可能性の高い改憲には、今の所反対かな。
だってそれじゃ他衛隊(他衛軍)じゃん。自衛隊は日本だけ守ってりゃいいよ。