公務員は解雇しにくいというプロパガンダに対する枝野幸男議員の反論

ニコニコ動画
ニコニコ動画(RC)‐社会保険庁の解体についての枝野議員の質問
・テキスト
第166回国会 厚生労働委員会 第20号(平成19年5月16日(水曜日))

○枝野委員 何で国家公務員法上の公務員じゃなくなると効率的になるのか、小学生にもわかるように、短く簡単に答えてください。


○柳澤国務大臣 これは、何といっても、国家公務員法上の公務員でなくても、公務員ということになりますと分限というものでしか降任、降格あるいは解任というようなことができないという仕組みになっておりまして、それに対して、民間的な手法を入れました職員については、そういう人事面の制約ということから解き放たれまして、これについてはもちろん合理的な理由というようなことは判例等で示されているわけでありますけれども、そういうことにのっとりさえすれば、かなりの自由度を持って人事の管理ができるということがございます。

 それからまた、実際の仕事ぶりというようなことにつきましても、やはり、民間の社員と申しますのはもっと、例えば勤務時間であるとかそういったようなことについてもいろいろと工夫をして、非常に弾力的に仕事に対応できるというようなことが現にありまして、私どもは今、ある意味で民間委託というようなものもさせていただいていますけれども、そういうようなところで、なるほどなというような事例というものもございますものですから、やはり、意識の面、それから実際の仕事のやり方の面等々で、随分違った形がそこで期待できる、このように考えているというものでございます。


○枝野委員 そんなに民間の方が立派だったら、自衛隊も警察も民間にすればいいのになと思いますけれども。

 今の話はうそですね。人事院に来ていただいています。
 国家公務員法、勤務成績が悪い者、サボっていいかげんな者、あるいは能力に欠ける者、適格性を欠く者、降格できますね、にできますね。あるいは、予算の関係、財源の関係、このままでは財政が破綻する、にできますね、国家公務員法では。違いますか、人事院


○鈴木政府参考人 お答えいたします。

 国家公務員が免職等をされ得る場合としては、職務上の義務違反などの場合に、国家公務員法の第八十二条に基づいて、懲戒処分として免職等が行われる場合がありますほか、懲戒の意味を持たない処分といたしまして、いわゆる分限処分といたしまして免職等が行われ得る事由を国家公務員法は明定しております。

 これは、成績主義の原則のもと、職員が、全体の奉仕者として情実に左右されずに職務を行い、恣意的にその職を奪われるということがないようにするというものでありまして、公務の中立性、安定性を確保して、その適正かつ能率的な運営を図ろうとする趣旨によるものでございます。

 具体的には、おっしゃいましたように、国家公務員法第七十八条では、降任及び免職の事由につきましては、勤務実績がよくない場合、心身の故障のため職務の遂行に支障等がある場合、官職に必要な適格性を欠く場合、定員の改廃等により過員等を生じた場合の四つを規定しているところでございます。

 いずれにいたしましても、個別の処分に当たりましては、法律や人事院規則の規定にのっとって、事実等に基づいた判断により、裁量権の濫用にならないよう適正に行われることが必要であると考えております。


○枝野委員 やっていないのは管理者なんですよ。能力がない、いいかげんなことをやっている、そういう公務員を首にしてこなかったのは管理者なんですよ。大臣であり、長官であり、地方の場合は知事市長であり、制度のせいにしてはいけないんですよ。やってこなかった行政執行担当者の責任が、見識が問われているんですよ。通用しない、おかしな職員がいたら首にすればいいんです、ちゃんと規定はあるんだから。

 逆を聞きます。民間企業だったら勝手に首を切れるんですか。


○松野大臣政務官 民間企業における解雇につきましては、労働基準法の第十八条の二に規定がありまして、具体的には「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」というふうにされております。

 このように、民間企業におきましては、労働者を解雇できるかどうかは、この規定に沿って、最終的には個別具体的に判断をされるということでございます。


○枝野委員 メディアの皆さんも含めて、世の中に勘違い、間違いはあるんです。民間企業だったら首が切りやすい、降格させやすい。能力のない者はおろす。やる気のない者は降格させる、首にする。民間の方がやりやすいというのは大きな間違いです。常識のうそです。

 やってこなかった行政執行担当者の能力と意欲の問題なんです。やればいいんです、民間と同じように、社会保険庁だって不祥事はたくさん起こっているんですよ。あるいは、やる気がなくていいかげんな仕事をやってきた人はたくさんいるんですよ。分限処分、しましたか、していないじゃないですか。まず分限処分をしてくださいよ。おかしな話じゃないかと思いますよ。

 政権を担っているのは、行政執行権限を持っているのは、少なくとも、社会保険庁に絡む行政執行責任を担ってきたのは、一九五五年以降、二年間を除いて全部自民党なんですよ。自民党がやる気がなかったんですよ。地方公務員の場合だって、圧倒的多数の知事や市長は、あるいは議会は、自民党が多数なんですよ。そこがちゃんと首にしなかったんですよ。そこのところを制度のせいにしてごまかさないでいただきたい。


人気blogランキングへ