押井守×佐藤大輔 対談

押井守 (文藝別冊 KAWADE 夢ムック)

押井守 (文藝別冊 KAWADE 夢ムック)

佐藤大輔「戦後の日本の反戦運動って、反米運動じゃないですか。あれは結局アメリカに負けたから悔しくて叩いてるんじゃないですか(笑)」
押井守「それはそうです。結局は親米と反米は同じものですし、反戦という名の反米です」
佐藤大輔「僕はどうもああいうのひがみっぽくていやだった」
押井守「それから誰とは言いませんけど、日本がアジアを解放すれば日本はアジアに好かれたのに、とかね」
佐藤大輔「ああ、そういうのもちょっと…」
押井守「それはとても居心地が悪いんです」
佐藤大輔「それだったらもっとえげつなく、こういうことをやっておけば。アジアから最善の利益を得るようにしておけば、こんな酷い戦争にならなくて済んだ、とか言えばいいと思う。そうすれば少なくとも日本人はみんな幸せ。という言い方だったら未だ、話としてはうなずけますよね。こんないいこともしたんだっていう議論ってのは僕は間違ってると思う。所詮周りの人間には迷惑なんだから」
(2004年5月7日)

漫画化もされた架空戦記皇国の守護者』の作者である佐藤大輔氏と、映画監督の押井守氏の対談。佐藤大輔氏の発言が興味深い。