ネット右翼の方こそ証拠を出すべき

従軍慰安婦に関して、2ちゃんねるやブログなどでも必ず出てくるのが、「証拠だせ!」という聞き飽きたフレーズである。
そこで、今回はネット右翼に対して「証拠だせ!」というべき点を挙げる。

陸軍省副官発北支那方面軍及中支派遣軍参謀長宛通牒、陸支密第745号「軍慰安所従業婦等募集ニ関スル件」
支那事変地ニ於ケル慰安所設置ノ為内地ニ於テ之カ従業婦等ヲ募集スルニ当リ、
故サラニ軍部諒解等ノ名儀ヲ利用シ為ニ軍ノ威信ヲ傷ツケ且ツ一般民ノ誤解ヲ招ク虞アルモノ
或ハ従軍記者、慰問者等ヲ介シテ不統制ニ募集シ社会問題ヲ惹起スル虞アルモノ
或ハ募集ニ任スル者ノ人選適切ヲ欠キ為ニ募集ノ方法、
誘拐ニ類シ警察当局ニ検挙取調ヲ受クルモノアル等注意ヲ要スルモノ少ナカラサルニ就テハ
将来是等ノ募集等ニ当リテハ派遣軍ニ於イテ統制シ之ニ任スル人物ノ選定ヲ周到適切ニシ
其実地ニ当リテハ関係地方ノ憲兵及警察当局トノ連携ヲ密ニシ次テ
軍ノ威信保持上並ニ社会問題上遺漏ナキ様配慮相成度依命通牒ス

これは吉見氏が発見した、軍と慰安所の関与を示す決定的資料として、1992年朝日新聞に取り上げられた。これをもって吉見氏は「誘拐まがいで慰安婦を集めていたことが明らかになった」と主張し、自由主義史観の方々は「これは悪質な業者を取り締まるように通知したもので、よい関与を証明するものだ」と主張しています。
しかし、軍は本当に取り締まっていたのでしょうか?その様な通知を出しているということは、取り締まった実例があるはずです。しかし今の所、悪質な業者を取り締まっていた実例は皆無です。
私は何度と無く2ちゃんねるで否定派の方々に「軍が悪質な業者を取り締まっていたという実例を挙げてくれ」と要求しましたが、一件たりともソース付きで提示されませんでした。
これはどういうことでしょうか?取り締まっていたのならそれこそこんな通知書ではなく、取り締まっていたという動かぬ「証拠」を出してもらいたいものです。
その「証拠」が皆無であるため、永井和氏はこの副官通帳を

日本軍の慰安所政策について
軍の依頼を受けた業者による慰安婦の募集活動に疑念を発した地方警察に対して、慰安所開設は国家の方針であるとの内務省の意向を徹底し、警察の意思統一をはかることを目的と出されたものであり、慰安婦の募集と渡航を合法化すると同時に、軍と慰安所の関係を隠蔽化するべく、募集行為を規制するよう指示した文書にほかならぬ

と仮説を立てています。噛み砕いて言うと、取り締まれという通知ではなく「オイ、お前女ナンパしてこいとは言ったけどよぉ、俺の名前出していいとは言ってねーだろ!恥ずかしいから俺の名前出すんじゃねーよ」と業者に釘をさしたのだけなのです。ありえない解釈ではありません。取り締まっていた実例がない以上、こういった解釈も成り立つのです。ネット右翼の方々こそ、従軍慰安婦の方やその支援者などに「証拠を出せ!」などと下品に喚き散らす前に、まず自らが取り締まっていたという「証拠」を出すべきでしょう。