加瀬英明氏の余計な一言

右翼団体日本会議のメンバーである加瀬英明氏がNewsweek誌のWEB版に従軍慰安婦問題について寄稿されました。
Commentary: Defending Japan's Past - Newsweek: International Editions - MSNBC.com
日本語訳はこちらをどうぞ。
今日の覚書、集めてみました Newsweek誌での加瀬先生の反論-慰安婦問題
一部、転載します。

多くの日本の政治家達も南京大虐殺は、他の分野で譲歩させるべく日本に圧力をかける為にこれを利用している、中国側のでっちあげだと考えるようになった。
60人以上の国会議員達が、2月と3月に研究会を数回開催した。
虐殺が誤りである事を証明する多くの証拠が提示された。
例えば、中国国民党情報省が南京陥落後11ヶ月に渡って、300回以上の記者会見を実施しているにも関わらず、虐殺については一度も一言も発していない。
蒋介石毛沢東も、最初の終戦記念日の声明でそれに言及しなかった。

最悪です。
従軍慰安婦問題についてのコラムのはずなのに、何故か南京大虐殺南京事件)について触れています。しかも、この文意からでは、南京大虐殺南京事件)そのものが捏造だと主張していると受け止められかねません。欧米で最も嫌われているホロコースト否定論者、歴史修正主義者(リビジョナリスト)と同じ目で見られる可能性を増大させるだけで、全く意味がないどころか、極めて有害な記述です。「ああ、やっぱり従軍慰安婦問題でごちゃごちゃ言ってるのは、日本の歴史修正主義者達なんだ。日本も民度低いな(笑)」と思われても仕方ないでしょう。
従軍慰安婦に関する決議をめぐるやりとりは、もはやアメリカ議会の意思なのです。これではまるで、「アンタらは中国に踊らされているんだ。頼むから目を覚ましてくれ」と呼びかけているのと同じことです。従軍慰安婦問題についてのアメリカの誤解を解くのに、どうして中国の悪口を入れる必要があるのでしょうか?理解に苦しみます。
この問題について右翼が言い訳すればするほど、墓穴を掘っている様に思えてならないのは私だけでしょうか…。