歴史認識問題とは、感情の問題である

最近TAMAGAWABOATなる人物の作成した動画が2ちゃんねるにてマルチポストされまくっている。で、これがその件の動画である。
THE FAKE OF NANKING - 1


実はこのTAMAGAWABOAT氏、致命的なミスを犯しているのだが、皆さんはお分かりになっただろうか?
正解は、この動画のタイトルである。
「このタイトルの一体何が問題なの?」と思った貴方は既にネトウヨ思考に汚染させている。至急2ちゃんねる保守系ブログの閲覧を控えるべき。
何故ミスなのかというと、このタイトルを見ただけでこの動画の結論が「南京(大虐殺)は偽りである」であるという事は火を見るより明らかだからだ。
何?これでも何が問題なのか理解できない?
仕方ない、教えてやろう。


仮に南京大虐殺を持ち出して日本を非難している人物がいたとしよう。
貴方はその彼に対してどう対処する?
「30万人も殺していない。せいぜい数万人だ」とでも言うつもりか?
便衣兵の殺害は合法。民間人の被害は仕方ない。そんな戦法を取った中国が悪い」とでも言うつもりか?


お笑いだ。
そんな言い草ではとても彼は納得しない。
それどころか、彼の怒りに火に油を注ぐようなものだ。
歴史認識問題とは詰まる所、感情の問題であるからだ。
歴史認識問題を解決するのは、一部勢力にとって都合のいい「事実」や「真実」などではない。
相手の感情を宥めるには謝罪しかない。そしてそれこそが最強の武器である。
相手の怒りに対して「貴方の怒りは間違っている」と指摘する事ほど、相手を怒らせるものはない。
まずは彼らの怒りに理解を示し、同調してやらねば、自分の言いたい事など微塵も相手に伝わるわけがなかろう。
相手を罵倒して自分の意見をごり押しする事が正義だと思っている内は、決して相手の考えを変えることなど出来ないのである(自戒を込めて言うが)。


謝罪すれば相手の怒りが収まるなんてウソだ!と脊髄反射した方もいるかもしれない。
では何故安倍首相は従軍慰安婦の方々に対して謝罪したのだ?

それは安倍首相も謝罪こそが世界中から浴びた非難に対して取れる唯一の手段である事を理解しているからだ。
(従軍慰安婦問題で世界から浴びた非難に対しての有効な反論は、河野談話という謝罪だったではないか!)
一国の総理大臣が必要もないのに謝罪するはずがあるまい?


TAMAGAWABOAT氏の動画が「中国」や「反日組織」への有効な反論だと考えているのだとしたら御目出度すぎる。
「日本は戦争を反省していない!」という彼らの主張が裏付けられ、更なる燃料を投下しただけではないか。
わざわざ相手に攻撃の材料を与えているだけなのである。
これをマッチポンプと呼んでも差し支えなかろう。



注意:今日のエントリはやたら偉そうな口調ですが、いわば演技みたいなモノですので大目に見て下さい…(^^;)