右翼に殺されかねない田原総一郎氏

今更気づいたが、この田原氏はマスコミで叩かれている人物、国家、団体をあえて弁護するという傾向がある。ライブドア堀江社長が逮捕された時も、一貫して擁護していたのも田原氏だ。そのほかに愛人問題で叩かれた本間正明税調会長との対談を実現させ論壇誌に掲載させたり、オフレコ!という本人が責任編集(?)している雑誌で、そのものズバリ【ワイド特集 バッシングされた人々の「言い分」】といった特集記事を組んだりしている。しかし左派からは政府べったりと言われ、右派からは売国奴と呼ばれる。私もそのような評価を下してしまった事があった。が、撤回する。
私は彼を改めて評価する。報道が一方的に流される事ほど恐ろしい事はない。悪役にさせられてしまった側にも言い分があるだろう。しかしテレビメディアでは全くと言っていい程聞く耳を持っていないし、新聞・雑誌・週刊誌などでも同様の傾向がある。そこに彼は苛立ちともどかしさを感じているのだろう。誰もやらないから自分がやる。まるで『アンタッチャブル』ではないか。私はおそらく彼と同種の人種(天邪鬼)だが、彼ほどまでの実行力と決断力はとてもじゃないが有していない。


そこで、本題だ。


イラク、イラン、北朝鮮問題で組み換わる新世界秩序の行方

2007年3月1日 フィクションとしての拉致問題

日本は拉致問題がある以上、アメリカが国交回復の手順をつけても日本はそうはいかないと言われている。しかし、ここで重大な問題がある。

拉致問題というのは、言ってみれば相当の部分がフィクションなのだ。というのは、今日本政府は警視庁が中心になって、拉致されたとみている人々が全員生きているという前提で交渉しているが、そんな保障はどこにもない。北朝鮮にとって大勢の日本人を生かしておく必要はなく、現に小泉前首相が訪朝した際も13人の拉致被害者のうち8人が死亡していると説明した。北朝鮮は信用できない国で、その後命を奪ったという可能性がある。だから日本政府が現在掲げている拉致被害者全員の救助というのは一種のフィクションなのである。

さあ、そのフィクションにどういう形でケリをつけるのか。もし拉致被害者の大半が亡くなっているということがわかったときに拉致問題にケリがつけられるのか。これは大問題である。アメリカが国交回復の手順を早めれば早めるほど、このフィクションが露呈する日が早まる。そしてあまりにも大勢が生きていないということが判明した場合、安倍政権の命運に関わる。大変な問題なのであるが、日本の新聞は怖いからここに触れない。一応全員生きているという仮説に基づいて拉致問題の交渉をしようとしている。


一年以上前の記事だが、今月号の『世界』でも同様の事を言っていた。誰も言わない事をあえて言うという彼のスタイルが如何なく発揮されているが、これだけハッキリと言ってしまうと、右翼に殺されはしないだろうかと心配になってしまう。