DREAM.8 所英男選手は負けてはならなかった

 DREAM.8を見た。全体的に前回よりも一試合一試合が白熱し、満足出来た大会だったと言える。けれども私には一抹の不安がある。それは所英男の成績不振にある。なんと現在3連敗中だ。無論弱い者が強い者に負けるのは道理であり、それにケチを付けるつもりはない。彼のファイトスタイルも彼個人の問題であり、それについてあーだこーだと評論家ヅラして容喙するつもりもない。問題は彼の若い女性ファンがこれで所選手の動向を気にしなくなってしまうかもしれないことだ。ただでさえDREAMは深夜に放送時間を移動させられた。私はこの原因を所選手の不振と、KID選手の不参加にあると見ている。なにしろ今は若い女性をターゲットにしなければ、視聴率は振るわないのだ。イケメン格闘家が華麗に勝利する様を見たいだけの若い女性ファンは、負け続ける所選手を見たくないだろうし、KID選手が参加しない大会など見ないだろう。だから所選手は勝たなくてはならなかった。
 青木真也選手が自分をDREAMの大黒柱と称して大会を盛り上げようとしているのは理解出来るし、共感も出来る。別に間違ったことを言っているわけでもない。桜井マッハ速人選手に対しての暴言もアングルの一つに過ぎないだろう。本気で怒ってるっぽいマッハ選手は少し大人気ない気もする。メディアに出した言葉が本気かどうかは私には判断出来ないが。
 青木真也選手には悪いが、それでも彼はDREAMの大黒柱にはなれない。なぜなら彼はイケメンではないからだ。人は見た目が9割。彼がいくら煽ろうと勝ち続けようと、五味隆典選手や所英男選手、山本"KID"徳郁選手にはなれない。彼では若い女性ファンを惹きつけられない。
 日本の格闘技界において、所選手はかなり重要なポジションにいる。だからこそ彼は勝たねばならなかった。
 それはTBSの30分番組『格闘王』が終わり、グラビアアイドルを前面に押し出して『格闘王子』としてリニューアル再出発している事も、若い女性ファンの取り込みを図っているからに他ならないだろう。今更王子かよ、どうせなら○○系男子ブームに乗っかって『格闘系男子』とでもすればいいのに。とか思ったりはしてない。