エヴァは絶望の快感を味わうアニメだと思うのよ

中田敦彦(オリエンタルラジオ)が「破」を熱く語る
 こっちでエヴァ芸人の中田さんが熱く語ってるように、とにかくこれをやられたらアニメですることは無くなってしまうんじゃないかぐらいの作品に仕上がっているヱヴァ「破」ですが、ワタクシ的にはこーゆー作品は一種の絶望を味わうための作品なんじゃないかと思うのですよ。
 以前少年ジャンプで連載されていたバスタードって漫画がありますけど、あれも途中から神と悪魔と超人達の壮絶なバトル物になり、作画が鬼のようにクオリティ高くなりっぱなしでした。これ読んだ時は(あー、こーゆーのをハイクオリティのアニメで見たいよなぁ…)と思ったものでした。その願いは現在まで叶うことはありませんでしたが、ヱヴァ「破」がもう殆ど叶えてしまってるも同然と言えます。
 使徒のデザインは異次元生命体とも言える不条理さに磨きがかかり、ゲーム・漫画・アニメなどで頻繁に見られる怪物の範疇を軽く超えていますし、その使徒エヴァとの攻防はまさに神と悪魔の最終決戦(ラグナロク)を彷彿とさせる黙示録っぷりです。
というか、これを見たらヨハネさんは黙示録書き直すって!絶対!
 さらに「人事を尽くして天命を待ったけど、天命は死刑宣告でした♪」みたいなシチュエーションが大好物な俺にとって、ゼルエル戦の絶望感たるや…。昔読んだ『戦艦武蔵の最期』に敵の爆撃機の猛攻を食らいながら必死で対空砲撃ったり、ジグザグ航法で躱したり、船体のバランスを取るために注水したりとやれることは全部やり、どうにかやっと敵機から逃れたと思って一息ついたら、今までとは比較にならない数の敵機の機影が見えた瞬間のあの感じ。ドラゴンボールで例えるなら、悟空とベジータのタッグでやっとメタルクウラを倒したと思ったら、100体以上のメタルクウラが崖の上にいたのを悟空とベジータが発見した瞬間といえば、分かってもらえるのではないだろうか。
 もうやれることはやったよな…。圧倒的な敗北という逃れられない現実を目の当たりにして、軽い悟りの境地にも達するシチュエーションがいいのですわ。うん。久々にその擬似的絶望感を味わうことが出来たからこそ、ワタクシは3度も劇場に足を運んだのです。
 ホント、おすすめ。ヱヴァ「破」は。