マスコミはオタク叩きなんかしてねーって

痛いニュース(ノ∀`):【秋葉原通り魔】 「アニメなど2次元世界にしか興味がない」 加藤容疑者の素顔 …カラオケではアニソン、部屋には同人誌
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この記事のブコメが「またオタク叩きですね、わかります」一色に染め上げられていくのは見るに耐えん。お前らは全然わかってない。

2008年06月10日 hagakurekakugo 犯罪, メディアリテラシー 彼はオタクだ。否定しようがない。しかしオタクが原因だとはどのマスコミも言っていない。どちらかというと、派遣や孤立が悪いという流れだ。被害妄想も大概にしろ。

テレビ・ネットをざっくり見て回った俺の感想がこれだ。マスコミはオタク叩きなんかしてねーって。実例を挙げよう。


クローズアップ2008:「予告・実況」、東京・秋葉原殺傷 ゆがんだ自己顕示 - 毎日jp(毎日新聞)

「書き込みは、誰かに気付いてほしいという思いの表れだ」。そう分析するのは、NPO法人・東京自殺防止センター創設者の西原由記子さんだ。加藤容疑者にもそんな思いがあったのか。
教育カウンセラーの富田富士也さんの見解も同じだ。「孤独な若者は誰かとつながりたいと思っても、メッセージの伝え方が分からず、ネットの掲示板に書き込みをする。そこで返事がないと、孤独感が一層募る」。そのうえで、「誰かが『バカ』とひと言でも書き込めば、事件は起きなかった可能性もある。中傷が飛び交う掲示板の方が健全かもしれない」と指摘する。


中国新聞 社説 秋葉原通り魔 「誰でもいい」の不気味

犯行への行動を掲示板に書く行為は存在を誇示したい表れか。同時に、表現したい相手が掲示板しかなかったとしたら、孤独感が漂う。

 男は勤め先で派遣社員という立場だ。収入や身分保障が不安定で、ワーキングプア状態から脱出できない問題がクローズアップされている。男は「生活に疲れ、世の中が嫌になった」と供述しているという。

 不遇から抜け出せない若者の、やり場のない怒りの矛先が無防備な歩行者や買い物客に向けられたのなら、凶行は繰り返されるおそれがある。格差や貧困の広がりを食い止め、若者が希望を持てる社会を築かなくてはならない。


河北新報 コルネット 社説 無差別殺傷/秋葉原で何が暴発したか

 絶望感や挫折感、疎外感。思春期以降、程度の差はあれ、若者の多くがとらわれる心情である。そうした後ろ向きの感情はもちろん、犯罪と直結するわけではない。

 家族をはじめ学校や職場で示される親愛の情が、身勝手な他者への憎悪を和らげるからだ。今回の場合はどうだったか。社会の現在の空気はどうか。そんな関心を持って、動機解明の行方を見守りたい。


愛媛新聞社ONLINE 秋葉原無差別殺傷 社会的背景の解明も必要だ

今回の事件の動機や背景は不明な部分が多いが、男は「世の中が嫌になった。(殺すのは)誰でもよかった。人生、生活に疲れた」と供述している。男とみられる人物は携帯サイトの書き込みで社会への不満をむき出しにしているという。社会への理不尽な恨みや疎外感が事件の背景になっているとの見方もある。
「格差やワーキングプアが問題となる中、社会に適応できず不満を爆発させるタイプの犯罪が起きている」との指摘もある。こうまで同様の事件が相次いでいることを考えると、個人の心の問題ですますわけにはいかない。


さきがけonTheWeb|社説:秋葉原無差別殺傷 動機の徹底解明を急げ

 こうした傾向について「犯罪の米国化が進んでいるともいえる」と分析する専門家もいる。格差やワーキングプア(働く貧困層)が問題となるような現在の競争社会に適合できず、不満を爆発させるタイプの犯罪が増えているとし、米国で断続的に起きている銃乱射事件はその象徴的な例だという。


秋葉原殺傷 池田小事件から7年目の日に(社会) ― スポニチ Sponichi Annex ニュース

ジャーナリストの大谷昭宏さんは「同世代の若者らが集まり、休日を楽しんでいる場所が狙われた。社会への理不尽な恨みや、自分だけが取り残されているという疎外感が凶行につながったのではないか」と推測。
 藤本哲也中央大教授(犯罪学)は「格差やワーキングプア(働く貧困層)が問題となる中、社会に適合できずに不満を爆発させるタイプの犯罪が起きている。米国では断続的に銃乱射事件が起きているが、犯罪の米国化が進んでいるともいえる」と指摘する。

あの悪名高き「フィギュア萌え族」の大谷昭宏氏ですら、オタク叩きなんかしちゃいねーよ。おまいら、もちっと落ち着け。


ほんの少しでも「オタク」要素を匂わせる報道があっただけで、鬼のようにメディア批判し始めるのってどうなん?いくらなんでも被害者意識が強すぎるんじゃね?少しでも自分達の属性にマイナスになるようなニュアンスが含まれていると判断したなら、大勢で大声で大仰に声を上げる。

オタク叩きとか指摘されてる記事だって、せいぜい犯人がオタクだったとか、ゲーム好きだからこのナイフを選んだ可能性もあるよね、とかその程度でしかない。別にオタクの存在を否定してもいないし、オタクだから事件を起こしたって論調も今の所見当たらない。これだけで「オタクバッシングが始まった!」なんて拡大解釈もいいトコだ。

むしろ派遣会社・派遣社会の方がバッシングにあってるだろう。オタクなんてただの犯人の一属性に過ぎない。これはやはり社会問題だって風にどこも新聞は軒並み足を揃えてるよ。オタク叩きなんて、せいぜい週刊誌や一部夕刊紙が下卑た文章で下品な取り上げ方をするぐらいだろう。


【追記】
メディアリテラシー・ネットリテラシーを気取りたいなら、これにも目を通しておくべき。
殺人事件を基に社会批判を行うのは、ゲームや漫画を叩く裏返しに見える。 - 脳髄にアイスピック